白鳥異伝(はくちょういでん)

白鳥異伝

白鳥異伝

作者の荻原規子(おぎわら のりこ)さんは勾玉三部作と呼ばれている、
古代日本を舞台にした物語を書いていて、白鳥異伝は
一作目 空色勾玉(そらいろまがたま) (〈勾玉〉三部作第一巻)(そらいろまがたま)
三作目 薄紅天女(うすべにてんにょ)
の間に執筆された二作目にあたる物語。
僕は三作の内で、この話が一番好きです。
内容はヤマトタケル伝説を下敷きにした和風ファンタジーで、
前作の空色勾玉から二百年ほど後のお話。
前作を読んでいなくても楽しめるとは思いますが、
出来れば先に前作「空色勾玉」を読んでいた方が、より楽しめると思います。

物語は三野(みの)の長の一族の娘として育った遠子(とおこ)と、
その家に拾われて遠子とは双子の様に育てられた小倶那(おぐな)という少年を中心に、
遠子の旅に同行する管流(すがる)や遠子の幼なじみの象子(きさこ)、
遠子の従妹で巫女の明姫(あかるひめ)、大王の息子である大碓皇子(おおうすのみこ)、
大碓皇子の従者で小倶那を鍛えてくれる七掬(ななつか)など、
様々な魅力的な登場人物によって、進んでいきます。

この本は最初は図書館で借りて読んだのですが、
あまりに面白かったので自分でわざわざ買い直し、今も手元に置いてあります。
古代の日本に興味がある人、ファンタジー小説が好きな人などは特に楽しめるんじゃないかと。
最近、新書版も出たようですが、
白鳥異伝 上 (トクマ・ノベルズ Edge) 白鳥異伝 下 (トクマ・ノベルズ Edge)
個人的には挿絵が無くイメージが限定されない
ハードカバー版(一番上で紹介しているもの)がお勧めです。